頭痛やめまいなど、これって睡眠不足に関係しているのでは、という症状に悩まされていませんか? ここでは睡眠不足から来る不調の症状を挙げながら、病気を誘発する要因となることもみていきます。
たとえ些細な症状であっても、身体が疲労していることに間違いはありませんし、睡眠不足症候群をはじめとする病気の可能性すらあります。まずはご自身の症状をしっかりとチェックしてみてください。
また、いままさに眠たいという人のために、眠気を解消する簡単な方法もまとめました。加えて、慢性的な睡眠不足を解消する方法も紹介します。これらの解消法を試せば、睡眠不足の症状が治まるはずです。
1.睡眠不足から起こる代表的な症状
睡眠は、心や身体を疲労から回復させる役割をもつものです。
深くゆっくりと眠れないと心身から疲労が抜けきらず、少しの時間しか眠れていなかったり、浅くしか眠れていなかったりする場合は、メンタルや身体のあちこちに不具合が生じてしまいます。
それらの中には危険な症状もありますので、まずはどんな症状があるのかをチェックしてみてください。
1-1.身体に異変が起こる主な症状
睡眠不足かなと思っているときに、頭痛、めまい、吐き気というあからさまな症状が起こっているならば、身体がピンチ信号を発しているサインです。仮眠をとったり睡眠環境を改善したりすることで、体調異常を回復させる必要があります。
<頭痛>
睡眠不足によるストレスで頭の血管が膨張し、それにより痛みを感じるようになってしまいます。「こめかみがズキズキする」「目の奥が痛い」「後頭部が痛い」「頭を締め付けるような痛み」といった症状がでます。
<めまい>
睡眠不足のストレスで平衡機能をつかさどる三半規管がむくんでしまい、めまいが起きます。「目がぐるぐる回る」「ふわふわと揺れる」「立ちくらみする」といった症状がでます。
<吐き気>
睡眠不足により自律神経が正常に機能しなくなり、また胃腸の調子も狂ってしまうと、強い吐き気を催すようになります。
1-2.能力が低下する主な症状
危険な症状とまではいえないものの、あきらかに日常活動の質を低下させる症状も、睡眠不足により生まれます。これらをきちんと自覚し、改善するように認識したいところです。
<思考力、集中力、記憶力の低下>
脳に疲労がたまっていると、正常に働かなくなり、頭がボーッとしてまともな思考ができない状態になります。そうなると集中力も暗記力も低下してしまいます。
<異常な疲れや眠気を感じる>
脳や身体の疲労が抜けきっていないため、すぐに疲れが蓄積してしまいます。倦怠感や、目を開けていられないほどの眠気に襲われます。
<免疫力の低下>
睡眠不足によりホルモン分泌に狂いが生じ、免疫力が低下します。そのため、インフルエンザ等のウイルスに感染しやすくなってしまいます。
<ストレスを感じる、不安になる、情緒不安定になる>
脳が正常に機能しないため、ふとした瞬間に不安になったり、ストレスを感じたりするようになります。また、うつ病にかかるリスクが高まります。
<胃腸の調子が優れない、食欲減退>
自律神経のバランスが崩れ、胃が正常に働かなくなり、ストレス性胃炎となってしまいます。これが悪化すると胃潰瘍を引き起こすことにもなります。
1-3.複合している場合は睡眠不足症候群かもしれません!
睡眠不足症候群とは、日中に強い眠気が襲ってくるというもので、睡眠障害という病気の一種です。生活習慣と睡眠環境を改善していくことが重要だといえます。
また、日中に眠気が強くなる睡眠障害には、日中に強烈な眠気に襲われ1日に何度も居眠りしてしまうナルコプレシーや、睡眠中に呼吸が止まってしまう症状によって眠りの質が悪くなる睡眠時無呼吸症候群といった病気もあります。
日中に我慢できない強い眠気があるのならば、一度下記サイトで各病気の眠気以外の症状を確かめてみるとよいでしょう。
睡眠不足症候群 | e-ヘルスネット 情報提供
厚生労働省の健康情報サイト。睡眠不足症候群について解説してあります。この病気は平日3〜4時間しか眠らない生活をしている人に多いようです
睡眠時無呼吸症候群とは – 睡眠時無呼吸なおそう.com
睡眠時無呼吸症候群のポータルサイト。おもな症状や原因、予防法の他、医療機関の検索も行えます。
なるこ会HP
NPO日本ナルコプレシー協会(通称、NPOなるこ会)のサイト。ナルコプレシーの症状、原因、治療方法が詳しく掲載されています。
2.睡眠不足は病気のリスクを高める
睡眠不足によるちょっとした症状は軽視されがちですが、思いもよらぬ大病の引き金となる可能性もあるので注意が必要です。以下のことを知って、睡眠不足が甘く見てはいけないものだということを認識してください。
2-1.血糖値が高くなる
睡眠不足というストレスを感じると、人間の身体は血糖値を上げてストレスに対抗しようとし、高血糖になってしまいます。これにより、糖尿病が引き起こされてしまう可能性が高まります。
2-2.血圧が高くなる
上記の血糖値と同様に、血圧も高まります。それにより高血圧な身体となり、高血圧症のリスクが高まります。さらには心筋梗塞や脳卒中のリスクにもなります。
2-3.肥満を招く
食欲を制御するホルモンの分泌や満腹中枢が正常に機能しなくなります。それにより、食欲が旺盛になってしまうということが起こり、結果として太りやすくなってしまいます
2-4.老化を招く
睡眠中は、身体の中で古い細胞と新しい細胞が入れ替わるのですが、睡眠不足の状態だとこの働きが滞ってしまいます。それにより、肌荒れやニキビ、シミ、しわといった肌のトラブルが引き起こされ、また老化を招く要因ともなります。
3.いまの眠さと身体の不調を解消する方法
睡眠不足により、いままさに眠いという人は、次の行動を試すことで解消できます。このうち、仮眠をとることがもっとも効果的です。
3-1. 15分程度の仮眠をとる
仮眠をとることで眠気が解消され、さらに頭脳の疲労をリセットされます。仮眠は15分程度の短時間を目安とするのが良く、それ以上だと睡眠慣性が働いて身体が本格的に寝ようとしてしまうため逆効果となります。ちなみに、横になったり机に伏せたりするよりも、椅子にもたれて目を閉じるくらいが適切で、それだけでも脳が十分に休まります。
3-2.外気を浴びて深呼吸とストレッチ
仕事や勉強などでじっと屋内にこもっていると、眠気に拍車がかかります。そんな時は屋外に出て、深呼吸して新鮮な空気を吸ったり、日光を浴びて脳に刺激を与えたりするのが良いでしょう。心身共にリフレッシュできます。
3-3.ツボを押す
身体のあらゆる箇所に、眠気を覚ますツボがあります。ここでは頭部と足裏の有名なツボを紹介します。いずれも見つけやすい箇所ですので、ツボ押しをやったことがない人でも問題ありません。
風池(ふうち)
首の後ろで、うなじの外側にあります。左右から上に向かって持ち上げるように刺激します。強めに刺激するくらいがちょうど良いです。
百会(ひゃくえ)
頭のてっぺんにあるツボです。左右の耳の延長線と、鼻の延長線が交わるところにあります。ゆっくりと刺激します。
文典:美容健康ツボ道場
湧泉(ゆうせん)
足裏の真ん中あたりで、「人」の字状になっている箇所です。指圧や、竹踏みで強めに刺激します。
失眠(しつみん)
かかとの中央に位置します。不眠症に効くツボとして有名です。こちらも強めに刺激します。
文典:関西化学株式会社
4.慢性的な睡眠不足を解消する方法.
普段から睡眠不足だという人は、睡眠時間が不規則であったり、睡眠の質が悪くて十分に休めていなかったりという理由が考えられます。次のような観点からあなたの睡眠を分析してみてください。
4-1.寝る時間は規則正しいですか?
不規則な生活や、睡眠をとる時間がバラバラだと、脳や身体のバランスが崩れてしまいます。平日は必ず23〜24時に寝室に入るといったように大まかで構いませんので、床につく時間帯を規則正しいものへと改善していきましょう。
4-2.眠れない行動をとっていませんか?
寝る前には身体がリラックスしていなければ、睡眠の質が悪くなり、それが睡眠不足の原因となってしまいます。次のような約束事を守ることで、睡眠の質を良く保つことができます。
<睡眠の質を良くするための行動>
- 食事や飲酒は3時間前までに済ませる
- カフェイン摂取は夕方過ぎから控える
- 入浴は1時間前までに済ませる
- スマホやパソコン、ゲームは2時間前から控える
- 夜は照明を暗めにして脳への刺激を弱める
- ストレッチ等で血流を良くする
4-3.寝具は最適ですか?
まくらや敷布団、掛布団も、睡眠の質に関係するものです。よく眠れないという人は、寝具に問題があるかもしれません。
<まくら>
通気性があると、頭の温度が上昇しすぎないように保たれます。まくらの高さとしては、首筋のすき間が自然に埋まるものが良いとされています。
<敷布団>
柔らかすぎや硬すぎるものではなく、適度に寝返りが打てるくらいの弾力性があるものが適しています。そうでないものは、腰や背中全体に負担がかかって身体が休まらず、血液やリンパ液の循環が滞ってしまって疲労が回復しないのです。
また夏は通気性と吸湿性が高いもの、冬は保温性のあるものが適しています。
<掛布団>
寝ている間は体温が低下するので、体温を一定に保つためにも掛布団は身体から離れづらいドレープ性のあるものが良いです。軽くて柔らかく、保湿性と放湿性のバランスが良いものを選びましょう。
5.まとめ
睡眠不足の症状はさまざまありますが、いくつも併発しているようであれば、身体が悲鳴を上げている証拠です。睡眠不足を放っておくと、高血圧、脳卒中、糖尿病、肥満といった生活習慣病のリスクが高まってしまいます。いままさに眠いのであれば仮眠をとる、あるいはいつも慢性的に眠いのであれば、いますぐ睡眠環境を見直しましょう。