朝起きた瞬間、首に痛みが…。寝違えはつらいものですよね。
仕事や家事にも響くからすぐ治療したいところですが、力を入れてもんだり、こすったりするのは厳禁。ここでは、寝違えに有効な症状改善法を解説していきます。
また寝違えのメカニズムや、寝違えにくい睡眠環境作りも解説していきます。
繰り返しますが、寝違えているときにあわててマッサージしてはいけません。かえって治りが遅くなります。
1.寝違えたとき、病院に行くべき状態
寝違えが発生したとき、次のような状態なら整形外科を受診しましょう。
- 痛みに耐えられない
- 2~3日経過しても改善しない
- 手足がしびれる
ただし個人差もかなりあります。どちらにせよ不安があるなら、念のため専門家に診てもらいましょう。
2.自分でできる寝違えたときの簡単な治療方法
2-1.首の痛みのある部分に触れる
寝違えを治すにあたり、まずは痛みのある部分に触れてみてください。こうすることで、筋膜と呼ばれる全身を覆っている繊維の膜が緩み、寝違えの痛みが改善します。
ここで大切なのは、「ストレッチ」でも「マッサージ」でもなくただ「触れるだけ」ということ。寝違えた状態では筋が伸びもせず、縮まりもしない固まった状態にあります。この状態で無理に刺激を加えると、毛細血管の損傷を招いて「もみ返し」の症状が現れてしまい、余計に痛みが強くなり改善が長引いてしまいます。
「なでる」より強く、「圧迫する」より弱く、触れてみてください。手のひら全部で包むように触れることで、触れた首の部分に手のひらの温度が伝わるようなイメージです。
2-2.肩すくめ体操
1.両腕は力を抜いたままだらんとした状態で、両肩をゆっくり息を吸いながら天井に向かってすくめていきます。
2.ゆっくりすくめた肩を少ずつ息を吐きながらゆっくりおろしていきます。
2-3.腕引き体操
1.首が痛む側の腕を後ろに上げます。
2.あげられるだけあげたら、そこで20秒キープします。
3.20秒経ったら腕を下ろします。
4.同じ動作を2セット繰り返します。
2-4.肘引き体操
1.痛む側の手のひらを腰のあたりにあてます。
2.そのまま肘を後ろに引いて20秒キープします(少し胸を張るような感じで)
3.同じ動作を2セット繰り返します。
3.寝違えの原因
3-1.首が安定しない状態が原因
寝違えは、就寝時に首の位置が不安定なことにより、過度の負担がかることが主な原因です。
慢性的な肩こりがリウマチを抱えていると寝違えになりやすく、また枕の高さが合わないことでも寝違えを誘発します。
3-2.腋窩神経圧迫は科学的根拠にとぼしい
寝違えの原因に、「腋窩神経(えきかしんけい)の圧迫」という説もあります。腋窩神経とは、腕神経叢(わんしんけいそう・脊椎から腕と手に信号を送る神経のネットワーク)から上腕部へ伸びる末梢神経です。
しかしこの説は必ずしも正解とは言えません。腋窩神経は、肩や肘の稼働を司るため、主に首が痛くなる寝違えとの関連性は薄いと考えられています。
4.寝違えないための予防策
4-1.自分に合った枕を使う
頸部に負担がかからない頭の位置で寝る必要があるので、タオルを使って微調整するのがおすすめです。
≪理想の枕の高さ≫
- 仰向けになったとき、首の角度が15度
- 横になって寝たとき、顔の中心線が水平になる
- スムーズで違和感のない寝返りがうてる
4-2.ストレスをためすぎない
ストレスがたまっていると、体は常に緊張している状態を維持してしまいます。
首の筋肉は、特にその緊張の影響が出やすいので、凝り固まった状態になり、そのまま就寝すると寝違えを起こしやすくなります。以下に就寝時のストレスを軽減するコツを解説します。
入浴する
入浴して温まると、お風呂を出てから熱拡散が起こり、いったん上昇した体温が急に落ちることで、眠気が誘発されます。
寝る前のスマホやパソコンは控える
画面の光は交感神経を刺激するため、身体が活発になってしまいます。これらの操作は就寝の2時間前までにしましょう。
首や目を温める
血行を良くすることで、睡眠が深くなるため、血管が多く集まっている首元を温めることで、血流が活発になります。
また目の周囲を温めると副交感神経が活発になり、リラックスできます。
桐灰化学株式会社の「あずきのチカラ」シリーズで、首元と目元を温める商品がそれぞれ発売されています。安価な上、電子レンジで温めて繰り返し使えるので試してみてはいかがでしょうか。
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4-3.泥酔に気を付ける
就寝時も無意識で体の位置やバランス、自分の重みやゆがみなどを感じて「寝返り」によって調整をするのですが、泥酔状態だとその寝返りも起こりにくくなります。
その結果体が歪んだまま長時間眠ってしまい、寝違えを起こすことが多いとされています。
個人差がありますが、人間は一晩で20~30回ほど寝返りを打つとされています。寝返りは、就寝中に身体の一部分が圧迫され続け、血液循環が悪くなることを防ぐための生理現象です。よって寝返りができないと、寝違えになりやすいだけでなく、血行が悪いことが原因で疲れがとれにくいなどの問題が生じます。
4-4.うつ伏せで寝ない
うつ伏せで寝るということは、首を左右どちらかに曲げた状態で寝ることなので、非常に頸部に負担をかけてしまうことになります。
できるだけ仰向けか、もしくは横向きに寝るのがおすすめです。
横向きで寝にくい人は抱き枕などを利用すると寝づらさが解消される場合があります。
上の抱き枕はamazonでもっともレビュー数、レビュー評価が高い、「MOGU 気持ちいい抱きまくら」です。横向きに寝るのが苦手な方は試してみましょう。
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5.まとめ
たまに寝違える程度の人は、その日の体調や枕の位置など偶然で起こる場合が多いのですが、頻繁に寝違えを起こす人は常に体が緊張しているか、体が歪んでいるかをチェックする必要があります。
ストレスをためないことや、深酒をしないなど、普段の生活の意識を変え、事前に予防することが大切です。