よく足をつるので対処法を探していませんか? あらかじめ治し方を知っておけば、いざというときでもあわてず痛みを取り除くことができますよね。
また、メカニズムを知り、原因を把握することで、そもそも足がつりにくい体質を手に入れることができます。
また足をあまりに頻繁につるようなら、なんらかの病気の可能性があるため、病院での診察をオススメします。
1.足がつったときの部位ごとの緊急対処法
足をつる痛みは突然やってきますので、あらかじめ対処法を知っておくことであわてず痛みを取り除くことができます。
1-1.ふくらはぎがつったとき(こむら返り)
つる可能性がある足の部位は何ヵ所かありますが、一番多いのはこむら返りとも呼ばれる、ふくらはぎです。
サッカーの試合の終盤に上の画像のようなシーンがよく見かけませんか? これは、ふくらはぎをつった選手を、別の選手が治しているところです。
<治し方>
文典:知っトク ナビたん
上の画像の2ヵ所を伸ばすのがポイント。足の先をヒザ方向に曲げてアキレス腱を伸ばし、さらにヒザも伸ばすことで痛みはなくなります。サッカーの試合で見られるシーンは、足の先とヒザを伸ばしています。一人で治す場合は、上半身を起こして親指をつまみ、指先をゆっくり自分の身体のほうに曲げていきます。
もし足の指に手が届かない場合は、壁を利用してひざをゆっくり伸ばしていってください。タオルを足の先にかけて、ゆっくり引っ張るのも有効です。
1-2.足の指や甲、裏側がつったとき
足の指や足の甲、足の裏側をつることもあります。この場合、痛いのと逆側を伸ばすことで痛みをやわらげることができます。
<足の指>
足の指の表側(爪側)がつった場合は、足の指の関節を曲げます。
足の指の裏側(足の裏側)をつった場合は、足の指を上に持ち上げます。
文典:田中接骨院
<足の甲、足の裏>
足の甲をつった場合は、足の指を足の裏側に曲げます。
足の裏をつった場合は、足の指全体を上に向けます。
文典:田中接骨院
1-3.足をつったとき気をつけること
1-3-1.決して冷やさない
足をつったとき、ねんざや炎症のイメージで冷やしてはいけません。むしろ足の冷えがつることの原因のひとつなので、痛い部分を温めてあげましょう。
1-3-2.すぐに処置する
次の章で詳しく解説しますが、足をつるのは筋肉の過度な緊張が原因です。この状態を放置すれば、筋肉自体が損傷しかねません。痛いと思ったらすぐに治しましょう。
2.そもそも足がつるとはどんな状態?
足がつるのは、筋肉の異常な収縮(緊張)が原因です。人間の身体の筋肉は縮む動きと伸びる動きを繰り返しながらバランスを保っています。この動きは、脳や脊髄といった中枢と筋肉が指令のキャッチボールをすることで成り立ちます。このキャッチボールがうまく続かず、筋肉が過度に縮んでしまうと足をつる状態になります。
以下が、そのキャッチボールがうまくいかなくなり、足がつる原因です。
<ミネラルの不足>
筋肉の伸び縮みはナトリウムやカリウムなどのミネラル成分が、細胞の内外を往来することにより成り立ちます。発汗によりミネラルが失われていると、この往来がうまくいかなくなり、足をつる原因になります。
<筋肉の疲労>
激しい運動により筋肉に疲労がたまると刺激に過敏になり、筋肉が必要以上に縮んで足をつります。サッカーの試合でよく見られるシーンは、この原因によるものです。
<腱紡錘(けんぼうすい)の機能低下>
アキレス腱にある器官、腱紡錘は筋肉の異常収縮を防ぎます。しかし冷えや脱水症状、疲労によりこの機能が弱まると足をつります。
3.よく足がつる人のための対策法
3-1.水分をたくさんとる
水分を十分に補給することで、運動中や就寝中に足をつるのを防ぐことができます。
3-2.ミネラルをとる
ナトリウムやカリウムといったミネラル成分は筋肉の収縮に重要な役割を果たしますが、発汗により失われます。そのためポカリスエットやアクエリアスのようなミネラル分を多く含むスポーツドリンクを飲むことにより、水分とともにこれらの補給が可能となります。トマトジュースもミネラルが豊富です。
3-3.運動をする前に十分な準備運動をする
筋肉が十分にほぐれる前に身体に強い負荷をかけると、筋肉が過敏に反応しやすくなり、足をつる原因になります。
3-4.足を冷やさない
エアコンの冷風は足をつりやすい人にはNGです。足を冷やさないような睡眠環境を整えましょう。
3-5.ふだん運動をしない人はなるべく歩くことを意識する
高齢者に足をつりやすい人が多いのは、ふだん運動をせず筋肉が衰えているので、すぐに足が疲労してつりやすい状態になりがちです。
なるべく足を使うことを意識しましょう。
3-6.バランスの良い食生活を心がける
カルシウムやマグネシウム、ビタミンB1、タウリンが不足すると、足がつりやすくなると言われています。
以下はこれらが多く含まれる食品です
- カルシウム:小魚、海藻、乳製品
- マグネシウム:大豆・玄米などの精製されていない穀物、アーモンド・ゴマなどの種子、豆腐
- ビタミンB1:レバー、豚肉、玄米、大豆
- タウリン:魚介
4.別の病気の可能性も疑っておく
毎日足をつるなど、あまりに頻繁に症状が現れる場合は、他の病気の可能性にも備えてください。
4-1.肝臓が悪いケース
肝臓が悪いと足をつりやすいと言われています。肝臓は体内に入った毒素を解毒する役割を持ちますが、この解毒作用がうまくはたらいていないとミネラルの体内でのやりとりに問題が生じる可能性があります。
肝硬変というケースもないわけではないので、あまりに頻繁につる場合は病院の診察をうけてみてください。
4-2.糖尿病のケース
糖尿病は血糖値を調整するインスリンが十分に機能しない病気です。調整しきれなかった糖質が細い血管を傷つけ、血流悪化と神経障害を招き、結果として足をつりやすくなります。
4-3.閉塞性動脈硬化症のケース
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)とは、下半身の太い血管が慢性的に詰まることにより、血行が悪くなる病気です。冷えを感じたり、足をつることが多くなります。
4-4.脊柱管狭窄症のケース
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは、背骨の内部が狭くなり、その中を通る神経が圧迫される病気で、明日がつりやすくなり、また下半身にしびれや痛みがあらわれます。
5.まとめ
足はいきなりつるものですが、治し方やメカニズムを知っておけばあわてず対処できるでしょう。あまりに頻繁につるようなら、病院で受診してみてください。