肩こりによるつらい症状に悩まされ、ひょっとしたら他の病気の前触れなのではないかと不安になっていませんか?
肩こりには、他の病気に関連して発症するケースもありますので、あなどってはいけません。そこで、肩こりの代表的な症状を整理し、病院へ行くべきものか、自分で解消できるものかの線引きを明確にします。これを参考にすれば、もやもやとした悩みが解決できるはず。
病院に行く場合は、肩こり外来か整形外科があるところに行きましょう。もし行く時間がとれず、症状を抑えたいというのであれば、すぐ効く市販薬を利用すると良いでしょう。
また、筋肉疲労に起因する肩こりを自分で解消する方法についてもまとめました。これにより慢性的な肩こり解消を目指すことができます。
1.病院か、セルフケアか? まずは症状をチェック!
肩こりが起こる原因は、単純に筋肉疲労から来るものが一般的ですが、重大な病気が隠れている場合もあります。ここでは「病院で診てもらうべき症状」と「セルフケアが可能な症状」に分類します。
1-1. 油断厳禁! 肩こりに潜む重大な病気
1-1-1. 病院で診てもらう必要がある症状
何らかの病気から間接的に肩こりの症状が現れるケースもあります。下記の症状があるなら、病院で診察をうけるべきだといえます。
- めまい、頭痛、動悸をともなう
- 首や肩など広範囲の痛み
- 締め付けられるような首の痛み
- 痛みが日に日に増していく
- 腕や肩、手のしびれをともなう
1-1-2.可能性のある病気
上記の症状には、さまざまな病気が潜んでいる可能性があります。関節や頸椎、内臓など、あらゆる箇所の病気が考えられるのです。
- 四十肩、五十肩:正式には肩関節周囲炎を呼ぶ、慢性的な炎症
- 頸部脊椎症(けいぶせきついしょう):椎間板に接する椎骨が変形し、脊髄神経を圧迫
- 胆石症、肝炎、膵臓(すいぞう)疾患、腎臓病:内臓の病変により痛みが発生
- 狭心症、心筋梗塞:動脈硬化により心臓周辺の血管が詰まる
- 高血圧症、低血圧症:血圧バランスの乱れ
- 更年期障害:女性ホルモンのバランスが変化
1-2.セルフケア可能な症状
筋肉の緊張に原因がある場合は、次のような症状が現れます。こちらは一般的に、セルフケアで対応できると考えられます。
- 首や肩、背中が張る
- 肩周辺の筋肉が硬い
- 首や腕が重い
肩こりは、写真が示す僧帽筋(そうぼうきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の緊張によるものです。これらは、マッサージや体操、温熱療法といった手段で、解消することができます。
2. 病院にいく際のポイント!どの科にかかれば良い?
肩こりで病院に行くなんて迷惑かもしれない、と思っている人も多いかもしれませんが、重大な病気が潜んでいる可能性もあることから、医師は診察を推奨しています。どの病院へ行けばよいかわからない場合は、肩こり外来か整形外科に行きましょう。
2-1.肩こり専門の診察機関「肩こり外来」
肩こり外来という、肩こり専門の科を設けている病院もあります。血液検査やレントゲン検査など、本格的な検査から病気を見つけ出します。
⇒東京にある肩こり外来病院 クリニック検索ガイド
⇒大阪で肩こりを診てもらえる外来病院・クリニック検索ガイド
2-2.診察してもらう科がわからないときは「整形外科」
整形外科は多くの病院にあるため、もっとも気軽に行きやすい科だといえます。筋肉や骨、関節や神経といった肩こりの主原因を診てもらえますが、症状によっては専門の科を紹介してくれることもあります。
3.痛みにすぐ効く市販薬! つらい症状は薬で解消
病院に行くべき症状だと分かってもすぐに行けるとは限らず、肩こりの痛みや頭痛をどうにかして止めたいということもあるでしょう。そんな時は痛みにすぐ効く市販薬がオススメです。
3-1.もっとも強い効果!コリホグス錠/小林製薬
錠剤タイプの薬で、筋肉弛緩成分・クロルゾキサゾンが筋肉をゆるめ、痛み止め成分・エテンザミドが痛みを遮断してくれます。肩こりの薬の中ではもっとも効果が強いもので、その代わりに服用中は眠気や集中力低下が起こる可能性があります。
3-2.頭痛にはコレ!ズッキノン/小林製薬
軟膏タイプの薬で、頭痛をともなう肩こりに効きます。肩から首筋、耳の裏にかけてまんべんなく塗ると、より効果を発揮します。
4.筋肉の緊張を原因とする肩こりはセルフケアで解消
4-1.オフィスや家庭で気楽にできる体操
肩こりは、筋肉が凝り固まった状態ですから、それをほぐしてやると症状が緩和されます。こりをほぐすには、肩や首、腕の運動を行うのが効果的です。下写真はオフィスでできる体操と、家庭でできる体操です。肩や肩甲骨を大きく動かすことが、ポイントとなります。
≪オフィスでできる体操≫
≪家庭でできる肩こり体操≫
4-2.筋肉をほぐすツボ指圧
肩こりに効くツボは下写真のように数多く存在します。中でも、肩もみで一般的な「肩井(けんせい)」と、髪の生え際にある「風池(ふうち)」「天柱(てんちゅう)」が代表的なツボです。これらを重点的に指圧することで、肩こりの症状が解消されます。
文典:セルフドクターネット
4-3.入浴は筋肉弛緩と自律神経調整のダブル効果
凝り固まった筋肉は、温めることでもやわらげることができます。日常生活においては、入浴時にこの効果が望めますから、症状が気になるときは普段よりも長く入浴すると良いでしょう。また入浴には自律神経のバランスが整えられる効果もあり、これが筋肉の緊張をやわらげることにもつながります。
5.まとめ
肩こりを感じるものの、その症状を具体的に自己分析している人は多くありません。しかし、病気が潜んでいる可能性もあるので、しっかりとどんな症状があるのかを把握し、病院へ行くべきか、自分で治せるのかを判断することが重要です。
もし病院へ行くべき症状があるならば、肩こり外来か整形外科を受診し、原因究明をしてもらいましょう。その一方で筋肉疲労が原因ならば、体操やツボ指圧、入浴などで普段からできる肩こり解消法を生活に組み込むと良いでしょう。