肩こりに悩まされ、その原因をつき止めたいとお考えではありませんか? そしてその原因に応じた解消法もお探しでしょう。
ここではまず肩こりの主な原因を紹介し、あわせて簡単にできる肩こり解消法も解説します。ご自身の症状に合った解消法を試してみてください。軽度の肩こりであれば、すぐに楽になるはずです。
また普段の生活でできる予防策も紹介しますので、これにより慢性的な肩こりとお別れすることができるかもしれません。なお、どうしてもつらい症状がある場合は医薬品に頼るのも手なので、その概要もお伝えします。
1.肩こりが起こる三大原因
肩は、頭部と腕を支える部位であることから、どうしても負担がかかるという性質を持っています。そしてこれにプラスアルファの諸要因が加わることで、肩こりの症状が増してしまいます。ここではそんな肩こりを悪化させる要因を3つに分類して紹介します。
1-1.肩や首周辺の筋肉疲労
≪筋肉疲労≫
普通に生活しているだけでも、肩や首には大きな負荷がかかり疲労がたまりやすくなっています。同じ体勢をとり続けたり、負担のかかる体勢になったりすると、さらに筋肉が緊張してしまいます。筋肉が疲労すると硬くなって疲労物質をため込み、そしてそれが血流を妨げて血行不良を生み出します。
≪血行不良≫
血のめぐりが悪化すると、疲労物質が流れず、筋肉にとどまってしまうという悪循環が起こります。それによりさらに疲労物質の生まれる環境となり、肩こりはどんどん悪化していきます。
≪末梢神経の傷≫
筋肉の硬直が酷くなると、末梢神経を圧迫して、神経細胞を傷つけてしまいます。その傷が硬くなった筋肉や、血液を通る疲労物質に圧迫されることで、ジーンとした違和感が生まれます。
文典:眼精疲労肩こりクラブ
1-2.眼精疲労
眼球の内部には焦点を合わせるための筋肉(毛様体筋)があります。PCのディスプレイを長時間見続けるなど、目を酷使し筋肉が緊張したままになってしまうと、ここに疲労がたまります。そしてこの筋肉は、顔・首・肩の筋肉とつながっているため、疲労も連鎖してしまうのです。
目の酷使と言えば、視力に合っていない眼鏡やコンタクトをつけること、ドライアイなども挙げられます。
文典:視力回復「福辻式」DVD
1-3.ストレス
精神的、身体的なストレスを感じると、自律神経の働きに狂いが生じます。交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、前者の働きが優位になる状態が続き、体が興奮状態に。そして筋肉が硬くなってしまうのです。
- 交感神経:運動時など、体が興奮しているときに働く
- 副交感神経:食事中は睡眠時など、体がリラックスしているときに働く
2.簡単にできる肩こり解消法
2-1. ツボ指圧やストレッチで筋肉疲労を解消
≪ツボ指圧≫
肩こりのツボとして代表的なのは、肩井(けんせい)や風池(ふうち)、天柱(てんちゅう)です。これらを中心に指圧することによって肩や首のコリがほぐされ、症状が楽になります。
文典:セルフドクターネット
≪ストレッチ≫
腕を大きく伸ばすことで、肩周辺の筋肉も同時に伸ばすことができます。頭上や左右、前方・後方と、さまざまな方向に伸ばすと全体的にほぐれ、より効果が生まれるといえます。
文典:タケダ健康サイト
2-2.眼精疲労をやわらげる方法
≪目の周りのツボ≫
目の周りのツボは、指の腹に少し力を加えるように、優しく刺激します。
文典:gooヘルスケア
≪目の運動≫
顔は正面に向けたまま、眼球をぐるぐると回転させます。あるいは、思いきりまぶたを閉じて2~3秒キープし、それからパッと目を開きます。
文典:ウェルラボ
≪蒸しタオル≫
お湯につけ硬く絞ったタオルを、電子レンジで約1分間温めます。これでアイマスクのように目を覆うと、周辺の筋肉が温められて疲労回復の効果が期待できます。
電子レンジで温めることで、繰り返し使える目元を温めるアイマスクも販売されています。
文典:amazon
2-3.ストレスの解消法
社会生活においては、意識できる、できないにところでストレスがたまっていくものです。そうしたストレスを解消するには、自分の生活環境や性格に合った方法を見つけるのがベストです。
≪適度な運動≫
体を動かすことで、まず交感神経が働き、その後に副交感神経の働きを誘発します。副交感神経が働けば神経が休まり、ストレスも解消されるという好循環が生まれます。
≪入浴≫
ぬるめのお風呂に入ると、副交感神経が働きます。これにより体はリラックスモードに切り替わります。夏なら38~40℃、冬なら41℃くらいを目安としてください。
≪アロマテラピー≫
アロマオイルなどの香りは、副交感神経の働きを誘います。香りに包まれて睡眠するだけでも効果があります。またこれにマッサージが加わると、心身ともによりリラックスできるものとなります。
3.日ごろからできる肩こりの予防策
3-1.毎日の運動
肩こりの予防には、僧帽筋や肩甲骨を動かす運動をするのが効果的です。簡易的な運動としては、ラジオ体操の「外回し、内回し」が、これらを大きく可動させられます。またラジオ体操やウォーキングなどは、全身の血行をよくする効果が期待できます。
文典:せんがわ名倉堂整骨院
3-2.正しい姿勢を意識する
≪座り姿勢≫
椅子に座るときは、背筋を伸ばし、お尻を背もたれに密着させるよう心がけます。猫背になったり、浅く腰掛けるのはNGです。
文典:肩こり百科
≪立ち姿勢≫
立っているときは、猫背になったり、逆に反らし過ぎにならないよう気を付けます。頭のてっぺんを糸でつられているイメージで背筋を伸ばします。
≪就寝姿勢≫
枕は、頭の下ではなく首の下に入れ、頸椎を安定させることが重要です。枕が合っていないと、就寝中に首や肩の筋肉が緊張してしまいます。
3-3.食習慣
ビタミンは、血液の流れを良くする効果が期待できます。特にビタミンEは、血管などを柔らかく保つ働きがあり、肩こりの予防と解消に効果的な栄養素だといえます。ビタミンEは、大豆製品や緑黄色野菜、ナッツ類などに多く含まれています。
またビタミンB群も筋肉疲労や末梢神経の傷を修復してくれるもので、中でも重要なビタミンB1は豚肉やレバー、玄米や胚芽米に多く含まれています。
4.つらい症状を緩和する医薬品
どうしてもつらい症状があるときは、医薬品に頼るというのも手です。しかしこの手段は、根本的に治すわけではなく、あくまでも痛みをやわらげる応急処置に過ぎないということに留意する必要があります。
4-1.貼付薬・塗り薬
痛みをやわらげる成分に、インドメタシンやフェルビナク、イブプロフェンがあります。これらが配合された貼付薬(湿布など)や塗り薬は、即効性が期待できます。
一般的に、急激な痛みには冷感タイプの冷却効果が、慢性的な痛みには温感タイプの血行促進効果が良いと推奨されています。
4-2.内服薬(筋肉弛緩成分配合)
筋肉弛緩成分クロルゾキサゾンやメトカルバモールが配合された内服薬は、凝り固まった筋肉をほぐしてくれます。
5. まとめ
肩こりは、筋肉疲労、眼精疲労、ストレスが主な原因となります。簡単にいえば緊張状態がもたらすものであり、それならばその緊張をほぐしてやることが、肩こり解消のキーポイントとなるわけです。ツボ指圧やストレッチは仕事中などでもできるので、意識して定期的に行うと良いでしょう。
日常生活では正しい姿勢を意識し、疲労やストレスを感じたら体を動かして緊張をほぐす。自宅でゆっくりできる環境においては、副交感神経の働きを意識してリラックスする。こうすることで、やっかいな肩こりを解消できるはずです。