「捻挫後にすぐ湿布」はリスクあり!正しい貼り方と注意点

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あなたは今、足首や膝関節などの捻挫をした後、「湿布を貼れば早く治るのではないか」と思い、貼り方や温冷湿布の選び方などの情報をお探しではありませんか?

しかし、捻挫後すぐに湿布を貼ってしまうと、症状が悪化してしまう恐れがあります。

そこで、本記事では捻挫後の湿布の正しい使い方や注意点、選び方などをご紹介します。

目次
1.湿布を貼るタイミングは?
1-1.まずはRICE処置を(捻挫後1~2日間)
1-2.急性期に湿布はNG
2.捻挫後の湿布の貼り方と注意点
2-1.湿布の選び方
2-2.湿布の貼り方
2-2-1.足首への貼り方
2-2-2.膝への貼り方
2-3.湿布を貼るときの注意点
3.湿布以外の処置アイテム
4.病院で処方される湿布について
5.まとめ

1.湿布を貼るタイミングは?

捻挫をしたときに使う湿布。ただ貼ればいいのではなく、湿布の意味を理解して、正しいタイミングで貼る必要があります。次の方法を参考に処置をしてみてください。

1-1.まずはRICE処置を(捻挫後1~2日間)

捻挫をした場合、足首や膝関節などの部位によらず、まずは応急処置の「RICE処置」を行うのが原則です。
RICEとは、「安静=Rest 冷却=Ice 圧迫=Compression 拳上=Elevation」の頭文字を取ったものです。

RICE処置の詳しい方法は「この捻挫、病院へ行くべき?チェックリストと病院での治療法」で詳しく紹介していますのでぜひ確認してみてください。

1-2.急性期に湿布はNG

このRICE処置は、捻挫後1~2日の間に行うものです。また、患部の冷却には、氷を入れたビニール袋や保冷剤を利用し、湿布は使用してはいけません。

本来「冷却」は感覚を麻痺させることによって痛みを抑えたり、血管を収縮させることによって腫れや炎症を抑えたりするために行います。では冷湿布なら良いのではないかと思われがちですが、湿布には冷やすだけの作用だけでなく、「消炎鎮痛剤」と呼ばれる成分が含まれているのが一般的です。

この消炎鎮痛剤が皮膚へ浸透すると刺激となってしまい、血管も拡張してしまいます。捻挫したばかりの時期は、できるだけ血管を収縮させて腫れと炎症が広がらないようにすることが大切なので、湿布を貼ってしまうと炎症が広がってしまったり、治りが遅くなったりする恐れがあります。

湿布を貼るのは、急性期を過ぎた後、熱っぽさや腫れ、炎症がある程度引いた後にしましょう。

2.捻挫後の湿布の貼り方と注意点

2-1.湿布の選び方

捻挫をした後、4日も経てば腫れや痛み、炎症がある程度落ち着いてきます。湿布を貼る場合には、このタイミングで貼るようにしましょう。

湿布には、冷感湿布と温感湿布の他、使用している薬剤によってさまざまな種類があります。

湿布の種類 冷感湿布 温感湿布
使用する状態 腫れや痛みがまだ多少残っている場合 すでに腫れや痛みが落ち着いて、炎症がおさまっている場合
主な成分 ・鎮痛消炎成分
・抗炎症成分
・冷感刺激成分
・鎮痛消炎成分
・温感刺激成分
・ビタミンEなど

文典:第一三共ヘルスケア

湿布には通常「消炎鎮痛剤」が含まれており、痛みを和らげる作用があります。

冷感湿布には、患部を冷やすことで内出血や炎症を抑える作用があり、温感湿布の場合は患部を温めることで血管が広がり、血流循環が促進されることで腫れが引きやすくなるだけでなく、筋肉をほぐす作用もあります。

2-2.湿布の貼り方

では具体的に湿布の貼り方を見てみましょう。

(1)足首への貼り方

足首は非常にはがれやすいため、湿布を半分に折ってから、真ん中に切れ目を入れると密着してはがれにくくなります。

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出典:株式会社タカミツ

(2)膝への貼り方

膝に貼る場合は、湿布の中央に切り込みを入れることで、密着してはがれにくくなります。
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出典:株式会社タカミツ

2-3.湿布を貼るときの注意点

湿布を貼るときは、次の注意点を守るようにしましょう。

(1)長時間貼るとかぶれや副作用が出る恐れも

湿布は「薬」であり、痛み止めに効く成分が含まれています。よって、湿布を貼ると、皮膚から血液中にその薬剤成分が浸透し、全身に巡ります。まるで一つの錠剤を飲んだかのような効果があるため、副作用が出る恐れもあります。
湿布は強い薬ととらえ、長時間貼るのは避けましょう。

貼ったまま規定の時間以上過ごしたり、夜寝たりすると、皮膚がかぶれたり、皮膚炎やかゆみなどを起こしたりすることがあります。
必ず既定の時間を守って使用しましょう。

皮膚が特に弱い人は、ガーゼを置いた上に湿布を貼るのをおすすめします。

(2)清潔にして、水分をふいてから貼る

湿布を貼るときは、幹部を清潔にして、よく乾かして水分のない状態で貼るようにしましょう。汗をかいたまま貼ると、はがれやすくなり、かぶれる恐れもあるからです。

(3)入浴前後の貼り方

入浴する際は湿布をはがしますが、はがした部位をお湯に浸すと染みることがあります。湿布は入浴の最低30分前にははがし、入浴後も30分くらい経った後に貼るようにしましょう。

(4)湿布だけでは治らない

湿布は、あくまで痛みを緩和するためのもので、湿布を貼っていれば治るというわけではありません。湿布だけに頼らず、痛みや腫れが引かないという場合にはすぐに整形外科を受診するようにしましょう。

3.湿布以外の処置アイテム

捻挫をした場合、湿布以外では次のような道具で処置をすることができます。
いずれも治療効果が期待できるものではなく、簡易的な痛み止めのような役割と思っておきましょう。

●テープ
捻挫した患部の保護や固定をして、悪化や負担を減らすために、テープを使ってテーピングをすることがあります。
テーピングの方法については、「捻挫をしたらテーピングしていいの?今すぐできるテーピング方法」で詳しく紹介していますのでぜひ確認してみてください。

●冷却スプレー
捻挫直後、患部を冷やしたい場合に使用されることがありますが、「冷却スプレーはかえって悪化する」という見解を持つ医師もいますので、基本的に使用は控えたほうがいいでしょう。

●軟膏
病院を受診すると軟膏を塗り込んで腫れを治療することがあります。副作用があるので医師の指導の下に使用しましょう。

4.病院で処方される湿布について

整形外科などを受診すると、医療用湿布が処方される場合があります。
市販の湿布と比べて、より自分の捻挫の程度に合った湿布が処方されるため、効きが良いというメリットがあります。中には、副作用のリスクがあるものもありますので、医師の指導の下に使うようにしましょう。

整形外科を受診する場合には、次の方法で探すことができます。

日本整形外科学会の「専門医を探す」から検索する

「ここカラダ」で地域の整形外科を探す

5.まとめ

捻挫をした後に湿布を使用することは、メインの治療ではなく、あくまでサブ的な処置と捉え、頼り過ぎないことがポイントです。
また、湿布を貼って症状の悪化や、かゆみやかぶれなどの副作用が出た場合にはすぐに使用をやめるようにしましょう。

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