あなたはノンレム睡眠とれてる?その効果と深く眠るための方法

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「夢を多く見ると睡眠が浅いって聞くけれど、それって本当?」
「金縛りにあう、頻繁に目が覚めることが多いけど大丈夫?」

このような疑問をお持ちではありませんか?

よく、眠りにはノンレム睡眠とレム睡眠があるというのを聞くと思いますが、あなたの眠りはどちらが多いのでしょうか?

本記事では、自分がきちんとノンレム睡眠かレム睡眠をバランスよく取れているのかのセルフチェックを行い、深くぐっすり眠るための方法を知ることができます。

なんだかぐっすり寝た気がしない、寝ても疲れが取れないという浅い眠りにお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。

1.私の眠りはどっち?チェックしてみよう!
1-1.ノンレム睡眠とレム睡眠のチェックリスト
2.ノンレム睡眠とレム睡眠の違い
3.ノンレム睡眠のしくみ
4.ノンレム睡眠の効果
4-1.嫌な記憶を消去する
4-2.記憶同士が結合される
4-3.成長ホルモンが分泌される
4-4.風邪などのとき、回復力が高まる
4-5.疲労解消・ストレスに強くなる
5.ノンレム睡眠を増やすには?
5-1.メラトニンの働き
5-2.メラトニンの分泌を高める方法
6.まとめ

1.私の眠りはどっち?チェックしてみよう!

1-1.ノンレム睡眠とレム睡眠のチェックリスト

人間の眠りには、浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」の2種類があります。

ノンレム睡眠とレム睡眠は、それぞれ次のような特徴があります。
目覚めた後の感じや、自分が眠っているときの様子を他人に見てもらうときの判定材料にしてみてください。
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出典:ロート製薬

ノンレム睡眠 レム睡眠
・ぐっすり眠っている状態・ほとんど夢は見ない。見ても単純なイメージ・筋肉の緊張がある程度低下(最も深い睡眠時は緊張は解かれている)・目は基本的に動かない・体温が低下している・心拍数や呼吸は少ない・汗をかく・副交感神経が主に働いており、ゆったりした状態

・起こされても脳がすぐに活動しない

・寝返りを打つ

・いびきや歯ぎしりがある

・うとうと状態・夢を見る。複雑で不思議なストーリーが多い・筋肉の緊張が解かれ、身体の力が抜けている・目玉がきょろきょろ動く・心拍数と呼吸が乱れ、速くなることも多い・汗は比較的かかない・交換神経も副交感神経も両方働いている・起こされるとすっきり目覚められる

・意識があっても体は動かないため、いわゆる「金縛り」になることもある

2.ノンレム睡眠とレム睡眠の違い

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出典:金沢医科大学病院

通常、眠りに入った直後にノンレム睡眠に入り、その後、約90分経つとレム睡眠になり、また約90分のノンレム睡眠に入ります。

8時間睡眠の場合、一晩にノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返しています。

このノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルが崩れ、深い眠りであるノンレム睡眠が取れないと、夢ばかりを見て「寝疲れ」や「ぐっすり寝た気がしない」などが生じてきます。

ノンレム睡眠 レム睡眠
深い眠り 浅い眠り
脳を休める 身体を休める

この二つの眠りの大きな違いは、「眠りの深さ」と「何を休息しているか」です。人は眠りにつくと、すぐにノンレム睡眠に入ります。このとき、「脳の休息モード」に入っており、身体の筋肉は動く状態です。また、基本的に夢は見ず、目は動きません。

実はこの「目の動き」が「ノンレム」と「レム」の呼称を分ける違いでになっています。「レム(REM)」とは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」のことで、ノンレム睡眠は「レムではない睡眠(non-REM)」すなわち「急速眼球運動が行われない睡眠」という意味になります。

レム睡眠時は、目が動く代わりに身体の力が抜け、「身体の休息モード」に入っています。このとき、脳は働いており、記憶の情報処理などが行われているといわれています。

3.ノンレム睡眠のしくみ

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出典:メラトンチェリー

次に、ノンレム睡眠についてもう少し詳しく見ていきましょう。

ノンレム睡眠は、ステージ1~4までの4段階に分かれています。
ステージの数字が大きくなるにつれて、眠りは深くなります。
そして、眠りが深くなるにつれて、脳波の活動が低下していきます。

ステージ1~4までのうち、より眠りが深いステージ3、4のときのことを、「徐波睡眠(じょはすいみん)」と呼びます。

徐波睡眠は、眠ったばかりの頃に多く表れ、眠りの後半に行くにしたがい、減っていきます。そして、眠りにつく前の覚醒時間の長さや、覚醒しているときの身体運動量と精神負荷量が大きいほど、長く、深くなるといわれています。

4.ノンレム睡眠の効果

次に、ノンレム睡眠はどのような効果があるのかを見ていきましょう。

4-1.嫌な記憶を消去する

ノンレム睡眠中は、脳が休んでいる状態です。脳は活動している間、非常に多くのエネルギーを要します。この脳を休ませるために必要なのがノンレム睡眠です。ノンレム睡眠中は、ゆすっても起きないくらいぐっすり眠っている状態です。

この深いノンレム睡眠のときには、嫌な記憶を消去する効果があります。
つまり、ノンレム睡眠をしっかりとらないと、日中、起きている間に起きた嫌な記憶が消去されず、目覚めても不快感が残ったままで、精神的に癒されないといわれています。

4-2.記憶同士が結合される

浅いノンレム睡眠のときには、記憶を相互に関連付ける効果もあります。
この浅いノンレム睡眠が損なわれると、日中、自転車の乗り方などの手順の記憶が定着しないといわれています。

つまり、ノンレム睡眠がない短時間睡眠で済ましてしまうと、日中、練習したことの記憶が定着せず、身につきづらいといわれているのです。

4-3.成長ホルモンが分泌される

深いノンレム睡眠のときには、成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには、肌細胞の生まれ変わり(新陳代謝)を活発にする力や、脂肪分解力があるため、美容・ダイエットに効果が見込めるといわれています。

4-4.風邪などのとき、回復力が高まる

風邪を引くと、体内では、白血球やリンパ球から免疫物質が分泌されますが、この免疫物質は、発熱などを引き起こすとともに、ノンレム睡眠を促すといわれています。
風邪のときのノンレム睡眠では、回復を促すホルモンが出やすくなり、体はより早く快方へと向かいます。。

4-5.疲労解消・ストレスに強くなる

眠りに入ったばかりの頃に分泌がはじまるプロラクチンというホルモンは、乳汁の分泌を促進する他、ストレス耐性を増加させたり、身体を修復したりする作用があるといわれています。
成長ホルモンと共に、プロラクチンが身体じゅうにめぐると、ストレス耐性が向上し、体の疲れが取れやすくなります。

5.ノンレム睡眠を増やすには?

嫌な記憶を消去し、疲労回復やストレス耐性向上、美容やダイエットなどさまざまな良い効果をもたらしてくれるノンレム睡眠。ぜひ一晩でできるかぎり深く、できるかぎり多くとりたいものです。

このノンレム睡眠を増やすためには、「メラトニン」というホルモンの分泌を高めることがカギになります。

5-1.メラトニンの働き

メラトニンには次のような作用があり、多く分泌されるほど、質の高い睡眠を実現してくれます。

・入眠を促す
・睡眠初期の深いノンレム睡眠を促す
・睡眠を維持する

5-2.メラトニンの分泌を高める方法

しかし、メラトニンは次のような影響を受けると分泌が抑制されてしまいます。

【メラトニン分泌が抑制される行動】
・就寝2~3時間前に強い光を浴びる
・就寝2~3時間前にカフェインを摂取する
・明るすぎる部屋で寝る

そこで、寝る前には次のようなことに気を付けることで、メラトニンの分泌を高めることができます。

【メラトニン分泌を高める行動】
・夜19時以降は店舗の強い灯りなどを浴びないようにする。
室内照明のめやすは300ルクス程度に。
就寝2~3時間前は、できるだけ照明を落とす。

・就寝2~3時間前に入浴をするなどして体温を上げ、就寝直前は体温を下げるメラトニンの働きを妨げないようにする

・体内リズムを狂わせないために食事は就寝2~3時間前に済ませる(コーヒーなどのカフェイン摂取も同様)

文典:甲南大学

6.まとめ

ノンレム睡眠は、私たちの健康と疲労・ストレス解消、脳の記憶整理に有効であることが分かりました。チェックを行った結果、ノンレム睡眠があまり取れていないと感じる方は、ぜひ寝る前の行動に気を付けてみてください。

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