ストレス、ホルモン、寝る前・・・熟睡できない10の原因

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「夢ばかり見て熟睡できていない気がする」
「朝起きても疲れが残っている」
「肩こりがひどい」

そんな悩みをお持ちのあなたは、きっと忙しく毎日を送っている方でしょう。
最近は、「不眠症外来」や「睡眠外来」などもありますが、病院に行くまでもない、行く余裕がないというのが本音かもしれません。

熟睡できない原因は、人それぞれ異なりますし、その原因の数も多いのが事実です。
しかし、人間が熟睡できないメカニズムは、やはり共通しています。

そこで、ストレスや脳の緊張などを中心に、考えられる熟睡できない原因を10個ご説明します。

目次
1.熟睡できない10の原因
1-1.ストレスで交感神経が高ぶっている
1-2.徐波睡眠がとれていない
1-3.メラトニンが十分に分泌されていない
1-4.深部体温が上手く下がっていない
1-5.胃腸が動いている
1-6.睡眠環境がよくない
1-7.夕方以降に仮眠やうたた寝をしている
1-8.カフェイン飲料やお酒を寝る直前に飲んでいる
1-9.寝すぎている
1-10.うつ病の初期段階にある
2.病気が疑われる方へ
2-1.疑われる病気
2-2.病院へ行くのに抵抗感がある人へ
2-3.熟睡できないときに受診する病院の探し方
3.まとめ

1.熟睡できない10の原因

1-1.ストレスで交感神経が高ぶっている

ストレスは、ほとんどの睡眠障害に関係しているといわれています。
人は、ある程度ストレスを感じながら生活していますが、身体的ストレスも精神的ストレスも、普通に睡眠をとっていれば自然に解消されます。

しかし、何か悩みごとや心配ごとがあって眠れない夜が続き、次第に「眠れない」ことに対してストレスを感じるようになり、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ることがあります。

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ストレスは自律神経のうち、交感神経を刺激して、興奮状態にさせます。
副交感神経が高まる睡眠にスムーズに入っていくためには、寝る前に交換神経を抑え、副交感神経を高めてリラックスする必要があります。
例えば、ストレッチやマッサージ、リラクゼーション音楽を聴く、アロマの香りをかぐなどの方法があります。

1-2.徐波睡眠がとれていない

徐波睡眠(じょはすいみん)とは、深い眠りである「ノンレム睡眠」の4段階ある眠りの深さのうち、深度3~4の深い眠りのことです。

この徐波睡眠は、眠りに入ってから45分~60分程度で現れます。

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出典:日経ウーマンオンライン

このとき、脳下垂体から「成長ホルモン」が分泌されます。
成長ホルモンは、筋肉や肌などのたんぱく質の合成を促し、疲労を回復してくれる働きがあるホルモンです。

つまり、朝、目覚めても心身の疲れがとれていないという場合、徐波睡眠がしっかりとれていない可能性が高いのです。

徐波睡眠は夢をほとんど見ないノンレム睡眠の一種なので、「夢ばかり見てなんだか眠りが浅い気がする…」と感じる方は、きちんと徐波睡眠がとれていないのかもしれません。

徐波睡眠がしっかりとれない原因は、主に加齢による自然な減少や、日中の30分以上の仮眠、寝る前に光を浴びることによってメラトニンの分泌が不十分などさまざまな原因があるといわれています。

メラトニンについては次の項目でご説明します。

ノンレム睡眠については、「あなたはノンレム睡眠とれてる?その効果と深く眠るための方法」の記事で詳しく紹介していますので、参照してみてください。

1-3.メラトニンが十分に分泌されていない

「メラトニン」は、光によって分泌量が変化する脳内ホルモンで、眠気を起こし睡眠を促す作用があります。そして睡眠中、さらに分泌が高まることで、深く眠ることができます。

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出典:iDC OTSUKA Good Sleep Factory

甲南大学の記事によれば、メラトニンは、寝る1~2時間前から分泌されはじめ、深夜2~3時頃にピークに達するといわれています。よって、夜更かしをしたり、寝る直前に強い光や入浴、激しい運動、食事、カフェイン、アルコールの摂取などを行ったりすると、スムーズな入眠が妨げられ、結果的にメラトニン分泌がピークを迎える頃に、しっかりと分泌を高めることができなくなってしまうのです。

文典:甲南大学

1-4.深部体温が上手く下がっていない

人間の体は、眠りに入っていくときに「深部体温」と呼ばれる、内臓を含めた身体の中枢部分の体温がぐーっと下がっていきます。深部体温が高いままだと、スムーズに入眠できず、結果的に熟睡しにくくなります。

●深部体温低下の妨げになる寝る直前の行為
・熱い湯への入浴
・激しい運動
・身体を冷やす食べ物や飲み物の摂取
など

また、深部体温にこもった熱は、身体の表面に逃がすことで下がるのですが、身体の表面の血行が悪く、体温が低いと、深部の熱が放散されにくくなります。
よって、身体の冷えも深部体温が上手く下がらない原因と考えられます。

1-5.胃腸が動いている

お腹いっぱいになると眠くなるので、寝る前には食事をとったほうがよく眠れると思われがちですが、実は入眠はできても、胃腸が動いたままなので、熟睡の妨げになるといわれています。

またこれには「1-4.深部体温が上手く下がっていない」で紹介した深部体温にも影響します。胃腸が消化吸収活動を行うと深部体温が上がるので、それに伴い、睡眠は浅くなってしまうのです。

消化吸収には、炭水化物で2~3時間、たんぱく質や脂質で3~4時間程度かかるため、寝る直前の飲食に心当たりがある人は、それが原因で熟睡が妨げられている可能性があります。

1-6.睡眠環境がよくない

寝ている間、私たちの体は、体温の低下や、発汗、寝返りなどの変化が起きます。
この変化にうまく対応した適切な環境でないと、熟睡できません。
例えば、睡眠環境では、次のような原因が考えられます。

・室温や湿度が適切でない
・敷き布団がやわらかすぎる
・掛け布団が重すぎる
・枕が合っていない
・吸湿性がよくなく、熱がこもりやすい寝具や寝間着

最適な室温には諸説ありますが、18~26度、湿度は50~60%をめやすに確認してみましょう。
また、寝返りが打ちにくい寝具も熟睡できない原因となります。

1-7.夕方以降に仮眠やうたた寝をしている

もし仮眠を夕方以降にとる習慣があったり、思わずうたた寝をしてしまったりする場合、それが熟睡できない原因になっているかもしれません。
仮眠は、睡眠不足のときに大いに利用すべきですが、昼に長く眠ってしまったり、夕方以降に眠ったりすると、夜の睡眠に悪影響が及びます。

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夕方以降に仮眠をとると、夜に寝付きにくくなり、寝付けても睡眠が浅くなる傾向があります。特に17時以降の睡眠は、夜の睡眠の先取りになってしまうという説も。

また、「1-4.深部体温が上手く下がっていない」でも紹介した通り、人は夜になると深部体温がグーッと下がって自然と眠りにつくようになっています。深部体温をしっかりと下げるためには、夕方頃の体温の上昇ピークをいかに迎えるかにかかってきます。

しかし、ピークの頃に眠ってしまうと、しっかりと深部体温が上がらず、体温リズムが崩れてしまうので、夜にしっかり下がらなくなってしまいます。

仮眠は、昼の12時から午後15時くらいまでの間に20分程度とるようにして、夜の眠りの妨げにならないようにしましょう。

1-8.カフェイン飲料やお酒を寝る直前に飲んでいる

カフェインやお酒を寝る前に飲むと、熟睡できなくなります。

コーヒーや緑茶、紅茶、ココア、栄養ドリンク剤などに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、寝る前3~4時間以内に摂取すると寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりします。また、利尿作用で睡眠中トイレに行きたくなって目覚めることもあります。

また、お酒は、一時的には眠くなりますが、眠っても目覚めやすく、眠りも浅くなることが分かっています。

寝る前にこれらの飲料を飲んでいるのであれば、熟睡できない原因と考えられます。

1-9.寝すぎている

よく、「8時間睡眠が基本」といわれますが、人によって必要な睡眠時間は異なります。6時間未満で済むショートスリーパーもいますし、9時間以上眠らないともたない人もいます。

本来、7時間程度の睡眠で十分な人が10時間寝ようとすると、睡眠が浅くなり、眠っている間に目が覚めやすくなります。
このように、熟睡できないからといって必要以上に長く寝ようとしていることが、かえって熟睡を妨げている可能性があります。

1-10.うつ病の初期段階にある

うつ病の人の睡眠の特徴として、ノンレム睡眠の深い段階である「徐波睡眠」がなくなり、浅いレム睡眠が増えるという研究結果が報告されています。

熟睡できない場合、うつ病の初期段階にある可能性があります。

文典:「よくわかる最新「脳」の基本としくみ: 脳のメカニズムを図解する! 脳の不思議」後藤和宏著

2.病気が疑われる方へ

10番目の原因であるうつ病が疑われる場合や、どれにもあてはまらないと感じた場合は、病気が隠れている可能性があります。

そんなときは、時間を惜しまず、睡眠の専門医に診てもらうのをおすすめします。

2-1.疑われる病気

熟睡できない場合、次のような睡眠障害が疑われます。

・不眠症
・睡眠時無呼吸症候群
・ナルコレプシー
・特発性過眠症
・むずむず脚症候群
・周期性四肢運動障害
・睡眠時随伴症
・概日リズム睡眠障害
・交代勤務睡眠障害

文典:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

2-2.病院へ行くのに抵抗感がある人へ

不眠や睡眠障害は、QLifeが行ったアンケート結果によれば、不眠の症状を治すために医療機関を受診した人は45.1%で、しなかったという人は54.9%でした。

しかし、病院を受診したことで不眠の症状が改善されたかどうかの問いには7.6%の人が「完全に解消された」、66.6%の人が「ほぼ解消された」と回答しているため、7割以上の人が症状改善を実感しているようです。

どうしても自分では改善できないと感じている人は、医師の指示の通りに治療を実行することで何かしら改善の糸口を見つけることができるでしょう。

2-3.熟睡できないときに受診する病院の探し方

睡眠にまつわる悩みがある場合、睡眠専門の医療機関か、精神科・心療内科を受診しましょう。

(1)日本睡眠学会で睡眠医療認定医や、医療機関を当たる
日本睡眠学会

(2)検索エンジンで探す
GoogleYahoo!Japanなどの検索サイトで、「睡眠 病院」「不眠症 病院」「睡眠 クリニック」「睡眠障害 病院」などと打ち込み、次のような医療機関を検索しましょう。

・睡眠の専門医療機関
・睡眠科や不眠症外来のある医療機関

(3)精神科・心療内科を探す
こころの耳(厚生労働省)

ここカラダ 心療内科検索
ここカラダ 精神科検索

3.まとめ

今回は熟睡できない原因を10個紹介しましたが、すべてにあてはまることもありますし、どれか一つにあてはまることもあるかと思われます。

思い当たる節があるものから、原因を排除していき、ぐっすり心地良い眠りを実現しましょう。

今すぐ簡単にできる熟睡する方法については、下記の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
重要なのは心身のリラックス!簡単にできる熟睡する方法

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