足がつらないための予防法をお探しではありませんか?
身動きが取れなくなるほどの足がつる痛み。特に就寝中に突然ふくらはぎに走るあの激痛(こむら返り)は、二度と味わいたくないものです。
しかし、一度足がつると慢性化しやすいようで、日常生活の中で頻繁にこむら返りが起こってしまうこともあります。そんなときは、この記事で取り上げている4つの予防法を実践して、足がつりにくい体質に変えておきましょう。
あわせて応急手当てのやり方を紹介していますので、足がつったときは慌てずにゆっくりと処置しましょう。日頃から激しいスポーツやジョギング、山登りなどに親しんでいる人も、応急手当てのやり方を覚えておけばイザというときに安心です。
1.「足がつる」を未然に防ぐ4つの方法
足がつること(こむら返り)は、成人の3割が月1回以上起こっているといわれており、どんなに健康な人でも起こります。ここでは日常生活に取り入れたい、足がつる、こむら返りを未然に防ぐ方法を見ていきましょう。
1-1.運動前後、就寝前のストレッチ
足がつるのは自分の意思とは全く関係のないところで発症する筋肉の痙攣。筋肉疲労がおもな原因といわれているので、足がつることの多いシチュエーションの前後に、入念なストレッチで筋肉をほぐしておくことが一番の予防につながります。
サッカーやジョギングなど足を激しく使うスポーツ後や長時間の立ち仕事のあとなどはもちろんですが、こむら返りが慢性化している場合も毎日のストレッチで改善される場合があります。
1-1-1.自分で行うストレッチ
時間と場所を選ばずにできる簡単な方法を紹介します。
- 足を前後に開く(ストレッチしたい方が後足になります)
- 後足はかかとを浮かさず膝を曲げないようにして、前足の膝を前に出していく(重心を前に倒します)
- 後足のふくらはぎが伸びてきたら痛くないところでキープする
- 足を入れ替えて1~3を同様に行う
手すりや壁に手をついて行うと安全です。ゆっくり行う方が効果が高いので、1セット5分を目安にふくらはぎをほぐしましょう。
文典:こむら返り解消 ふくらはぎのストレッチ|学校法人日本医科大学グループ
1-1-2.整体やマッサージ機を利用する
こむら返りがクセになっている、またはふくらはぎの痛みがなかなか引かないのであれば、整体院やマッサージ店で専門的な手ほどきを受けましょう。
また、日頃のストレッチを楽にするグッズとして電動のフットマッサージ機があります。下記の製品は、ふくらはぎに加えて足の甲と指もマッサージしてくれます。忙しくて整体院へ通えない人は重宝するはずです。
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1-2.1日100回のスクワット
足がつる原因の一つに、足の筋肉量の低下が挙げられます。運動不足の方や高齢の方に多いのですが、加齢などで足の筋肉量が低下していくと、下半身の血の巡りが悪くなって疲労物質が流れにくくなるため、日常生活を送るだけでも筋肉疲労が蓄積してしまいます。
筋肉量を維持するための効果的な手段として、スクワット(屈伸運動)があります。やり方は簡単で、両足を肩幅に開いたら、ゆっくりと膝を曲げ伸ばしするだけです。
注意点としては、膝がつま先より前に出ないこと。お尻をうしろに突き出すイメージで膝を曲げていくと正しいフォームになります。
1セットの回数は10回程度で構いませんので、まずは疲労の残らない程度からスタートしてから徐々にセット数と回数を増やしていき、1日トータルで100回を目指しましょう。
文典:朝日新聞DIGITAL
1-3.足を冷やさない
筋肉疲労の他、足の筋肉が冷えて血行不良になり足がつることがあります。水泳中に足がつりやすいのはそのためで、冷え性の人も足がつりやすいといわれています。
長時間の運動や立ち作業をしていないのにも関わらず就寝中に突然足がつるときは、エアコンや扇風機で足を冷やしすぎているのかもしれません。
こむら返りの痛みで眠りを妨げられることが多い場合は、寝室の環境を見直しましょう。就寝前の冷たい飲み物も避けた方がいいでしょう。
1-4.ミネラルの補給
カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどのミネラルが不足していると足がつりやすくなります。
ミネラルには筋肉・神経の働きを整える役割があるため、ミネラルバランスが崩れると筋肉の痙攣が起こるといわれています。
日常生活を送る上で必要なミネラル量はどれも少量で十分なのですが、裏を返せば、発汗や下痢などの脱水状態になってほんの少しでもミネラルが減ると、ミネラルバランスが崩れてしまいます。
汗を大量にかくスポーツ中、寝汗を大量にかく夏場の就寝中などに足がつりやすいのはそのためです。
ミネラルは人の体の中から作ることができません。足がつりやすい人は慢性的なミネラル不足が考えられますので、三食の中から積極的にミネラル(特にカルシウムとマグネシウム)を補いましょう。食が細くなりがちな高齢者や、栄養素が不足しがちな妊娠中の方は、サプリを利用するのも一つの手です。
ミネラルが豊富な食材
- カルシウム:小魚、海藻、乳製品
- マグネシウム:大豆・玄米などの精製されていない穀物、アーモンド・ゴマなどの種子、豆腐
また、ミネラルを手早く補給するのにスポーツドリンクもおすすめです。運動中に足がつりやすい人は、事前にスポーツドリンクでミネラルを補給しておきましょう。
2.足がつるメカニズム
2-1.足がつる原因
足がつる予防法を紹介する上で、その原因についても触れてきましたので、ここで足がつる原因を一通りまとめておきましょう。
筋肉疲労
足の筋肉に大きな負荷がかかると、大量の疲労物質が溜まり、筋肉が痙攣しやすくなります。
筋肉量の低下
足の筋肉量が低下すると下半身の血の巡りが悪くなって疲労物質が流れにくくなり、筋肉疲労が蓄積しやすくなります。
ミネラル不足
筋肉の働きを調整するミネラルのバランスが崩れると、筋肉が痙攣しやすくなります。発汗、下痢などの脱水状態になると水分と一緒にミネラルが失われていきます。
足の冷え
足の筋肉が冷えると血の巡りが悪くなって足がつりやすい状態になります。
2-2.妊婦がなりやすい理由
妊娠中期あたりからこむら返りに悩まされる妊婦さんは多いといわれます。それは体重の急激な増加によって、身体のバランスが妊娠前と比べて大きく変わり、ふくらはぎの筋肉への負担が増しているためです。
また、妊娠中は胎児にも栄養素が取り込まれるため、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが不足して足がつりやすくなることもあります。
つわりがひどくて食べられない人は、妊婦でも摂取できるサプリを利用して、ミネラル不足にならないように努めましょう。
3.こむら返りの応急手当て
3-1.つっている筋肉をほぐす
足がつっているときは筋肉が縮んだまま固まっている状態ですから、筋肉を伸ばしつつ、軟らかくほぐしていくと痛みを和らげることができます。
治し方のポイント
- つっている部分を優しく、ゆっくりと、伸ばす
- 伸ばす方向はふくらはぎの逆側
- 痛みが完全に引いても一時間は安静にする
つっている方の足の膝の裏側とかかと部分を伸ばすのがポイントです。膝頭を押さえた状態で、足の指を掴んで手前に引っ張ります。指先に手が届かない場合は下記画像のようにタオルを利用しましょう。
3-2.芍薬甘草湯(漢方・シャクヤクカンゾウトウ)を服用する
この漢方は病院での治療に処方され、筋肉の痙攣(足がつる・こむら返り)に対して実際に効果が見られています。イザというときのために枕元に用意しておくと安心です。
上記2つの製品は、使用上の注意書きで妊婦と高齢者は「医師や薬剤師に相談すること」となっています。妊婦と高齢者は基本的に使用を避けた方がよいでしょう。
4.まとめ
最後にもう一度予防法をまとめておきます。
- 運動前後、就寝前のストレッチ
- 1日100回のスクワット
- 足を冷やさない
- ミネラルの補給
これらの予防法を日頃の生活に取り入れていれば、足がつる回数は大幅に減るはずです。
運動するときと就寝前(特に汗をかきやすい夏場!)はストレッチとスポーツドリンクなどでミネラルの補給を欠かさないようにしましょう。