身体のだるさ、疲労感は何が原因?
睡眠は十分とれているのに、疲れがとれない、体がだるい、やる気が起きないといった症状は、ストレスの多い現代社会によく見られるものです。全く動けないわけではないので、不調を感じながらも仕事や学校、家事や育児を続けている人も多いのでは?とくにだるさは、怠けている、甘えていると周囲から思われがちで、本人にとってはさらに辛いものです。
いつまでもだるさや疲労感が抜けない。その原因はどこからきているのでしょうか。
◎睡眠の質に問題がある
たっぷりと睡眠時間をとっていても、睡眠の質が悪いと疲れがとれません。睡眠の質を低下させる主な原因は、「体内時計のずれ」と「体のこわばり」です。眠いのに寝られない、あくびが止まらない人は体内時計がずれている可能性が高いです。また、睡眠中に筋肉がこわばっていたり、体に力が入っていると血行が悪くなり、疲れがとれにくくなります。
◎食生活の乱れによる栄養不足、内臓への負担
疲れがとれないのは食生活にも問題がある場合が多いようです。
〈不足しているもの〉
ビタミンB群、鉄分、ミネラル(マグネシウム、カリウム、亜鉛、リン、ヨウ素)、酵素、水分
とくにミネラルが不足すると非常に疲れやすくなります。水分不足は代謝が低下し、老廃物の排出ができなくなり、眠気やだるさの原因になることがあります。
〈摂りすぎているもの〉
炭水化物、糖質、カフェイン
炭水化物の摂りすぎは、血糖値の乱高下による疲労感の原因に。また、カフェインを摂りすぎると睡眠障害や神経過敏などの症状が現れ、疲労回復を妨げます。
〈その他〉
胃腸が疲れている、腸内環境が悪いなど
◎病気が原因のだるさ
長期間、疲労が抜けない、だるいといった症状が続く場合は、何らかの病気が隠れていることもあるので、早めに医療機関で受診しましょう。たとえば次のような病気が原因として考えられます。
・甲状腺の病気
ホルモンの分泌をつかさどる甲状腺に異常があると、とても疲れやすくなります。体がこわばる、首が腫れて見えるといった症状もあるようです。
・糖尿病
全身の倦怠感、だるさがあり、トイレが近い、喉が乾く、痩せてきたなどの症状を伴う場合は、早めに受診することをおすすめします。
・脳梗塞
血管が詰まってくると、血行が阻害され体がだるくなることがあります。倦怠感が脳梗塞のサインになることもあります。
・睡眠時無呼吸症候群
眠っているときに呼吸が止まる病気で、無意識のうちに睡眠を阻害している場合があります。
・風邪
インフルエンザや風邪のひき始めは、倦怠感が顕著に現れます。風邪かなと思ったら、頭痛や熱が出る前に体を温めて免疫力を高めるとよいでしょう。
・うつ病、適応障害など
とくにうつ病の初期には、午前中に強いだるさを感じる人が多いようです。やる気が起きない、内科では原因がわからなかったという場合は、心療内科などで相談してみましょう。
◎生活面での原因
上記の他にも、日常生活の中に原因が潜んでいるケースも少なくありません。運動不足、ストレス、季節の変わり目、夏バテ、目の疲れ、更年期障害、妊娠や生理といったこともだるさや疲れのもとになっています。また、過剰なダイエットによる栄養不足が原因で、血行不良、貧血、エネルギー不足を招いていることもあります。
すぐに効く!だるさ撃退法はこれだ
だるさや疲労感を招く原因がわかったところで、どうしたらだるさを解消できるのか、おすすめの方法をご紹介します。
〈質のよい睡眠をとる〉
・夕食は就寝時の3時間前までに済ませる
・就寝前はテレビやスマートフォンを見ない
・明るすぎる照明や強い光を避ける
・ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かる
・朝起きたら、朝日を浴び、夜の自然な眠気につなげる
〈栄養バランスのよい食事をとる〉
主食に含まれる炭水化物は重要なエネルギー源ですが、そればかりではよくありません。炭水化物を代謝するために、肉や魚、野菜に含まれるビタミンB群は欠かせません。またビタミンCは疲労感やだるさ対策におすすめの栄養素なので、積極的に摂りましょう。
〈ストレッチをする〉
・肩と背中のストレッチ
四つん這いになり、腰の高さをキープし両手を少しずつ前に伸ばしていきます。息を吐き出しながら行うのがコツ。両手を伸ばしきったらそのままの姿勢でしばらく保ちましょう。
・肩のストレッチ
右手を上から、左手を下から背中側にまわし、両手をつなぎます。そのまま少しずつ息を吐き出しながら、つないだ両手を引っ張り合いましょう。
・腿の内側のストレッチ
座って足の裏同士を合わせます。その状態で両足首をつかみ、背筋を伸ばします。腿の内側を肘でゆっくり押しながら体を前に傾けていきましょう。
・腿の裏側のストレッチ
両足を伸ばした状態で座り、タオルなどの両端をそれぞれの手で持ち、両足の裏に引っ掛けた状態で背筋を伸ばします。ゆっくりと息を吐きながら体を前に傾けましょう。
以上のストレッチは、時間のあるときや寝る前など、毎日少しでも続けていくことが大切です。また体を伸ばすときに無理は禁物です。筋を痛める原因になるので、自分のペースで行ってください。
まとめ
体がだるい、疲れがとれない原因を紹介してきましたが、病気の場合を除けば、根本原因のほとんどは日常生活の乱れからきています。睡眠、食事、運動、休養といった基本リズムが整っていれば、だるさや疲労感はかなり改善されるはず。自分の体と心をいたわりながら、もっと快適な毎日を送れるよう、生活を見直してみるのもよいですね。