その骨盤の痛み、コレが原因かも!すぐにできる適切な対処法

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骨盤 痛み

腰周りが痛い、特に骨盤の辺りに痛みを感じる。このようなことでお悩みではないですか? 何もしなくても痛む、立ったり座ったりするときに痛む、押すと痛む、ズキっと痛むなど、色々な痛みの感じ方があるでしょう。

今回の記事は、骨盤の痛みに悩んでいる方が、すぐにでも痛みを解消できるようにするための内容になっています。

骨盤の痛みにも、さまざまな原因が考えられます。一般的に考えられる原因を紹介しますので、自分の骨盤の痛みはどの原因にあてはまるのかのめどをつけてみてください。

場合によっては、早急に医療機関にかかる必要がある場合もありますが、自分ですぐに行える対策で解決することもあります。まずは原因を特定することから始めましょう。

1.骨盤が痛む原因
1-1.骨盤そのものに異常がある場合
1-1-1.骨盤がゆがんでいる・ズレている(仙腸関節炎)
1-1-2.出産で開いた骨盤が閉じ切っていない
1-2.骨盤近くの部位に異常がある場合
1-2-1.骨盤に付着している筋肉自体の異常
1-2-2.慢性前立腺炎(男性)
1-3.骨盤内にある臓器に疾患がある場合
1-3-1.虫垂炎、尿路感染症(膀胱炎など)、胃腸炎
1-3-2.月経や排卵、婦人科系疾患など
1-4.重度の場合や長く続く場合はメディカルチェックを
2.原因別!骨盤の痛みの解消方法
2-1.骨盤そのものに異常がある人向けの対処方法
2-1-1.凝っている骨盤周りの筋肉を温める
2-1-2.仙腸関節を動かす
2-1-3.緊張しすぎた筋肉を緩めて安定させる
2-2.骨盤近くの部位に異常がある人向けの対処方法
2-3.骨盤内にある臓器に疾患がある人向けの対処方法
3.骨盤の痛みの予防方法
3-1.骨盤そのものに異常がある人向けの予防方法
3-1-1.普段からできること(座り方)
3-1-2.骨盤をゆるませるストレッチ
3-1-3.骨盤を引き締めるエクササイズ
4.まとめ

1.骨盤が痛む原因

骨盤の痛みの原因は、大きく分けて3種類あります。

(1)骨盤そのものに異常がある
(2)骨盤近くの部位に異常がある
(3)骨盤内にある臓器に疾患がある

この中から、さらに細かく具体的な原因をご説明いたします。自分がどれに相当するか判断してみてください。

1-1.骨盤そのものに異常がある場合

骨盤そのものに何か異常が生じることで起きている痛みの場合、主に次の原因が考えられます。

1-1-1.骨盤がゆがんでいる・ズレている(仙腸関節炎)

骨盤がゆがんだり、ズレたりすると、腰周辺に痛みが起きてくることがあります。
次のようなことに心当たりのある方は、骨盤のゆがみやズレが原因の可能性があります。

  • 腰全体が痛む
  • 左右の腰の高さが異なり、どちらが一方だけが痛む
  • 靴が片方だけすり減る
  • 腰をひねると痛む
  • 立っていると座りたくなり、座っていると腰が痛くなる
  • 椅子から立ち上がったときに腰にズキッと痛みが走る
  • 長時間同じ姿勢でいることができなくなっている
  • 安静にしていても持続的な腰の痛みがある
  • 腰に力が入りづらくなっている

骨盤のゆがみには、「反り尻」と「左右に開いている」「ねじれ」の3タイプがあります。

ゆがみのタイプによって、腰全体が痛くなったり、左右の高さが異なる場合、高いほうの側の腰だけが痛んだり、腰をひねったときに痛んだりします。鏡で見たときに、肩や腰の左右の高さに違いがあるかどうか、チェックしてみましょう。

また、骨盤のゆがみやズレにも段階があり、はじめは姿勢によって痛んだり痛まなかったりするものの、末期になると安静にした状態でも腰がずっと痛い状態が続くようになります。

この骨盤のゆがみが起きる原因は、普段の長時間とる「座る」「寝る」などの姿勢や、運動不足、太り過ぎにあるといわれています。

また、骨盤のゆがみは、「仙腸関節炎」や「仙腸関節障害」と診断されることがあります。
骨盤の真ん中にある「仙骨」は、「腸骨」というハート型の骨とつながっていますが、この二つをつなぐのが「仙腸関節」です。仙腸関節は、筋肉と靭帯の力だけで支えられているだけなので、とても不安定でゆがみやすい部位です。
骨盤がゆがむというのは、この仙腸関節部分の微妙なズレのことを指しています。

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文典:かじた式骨盤矯正スクール

1-1-2.出産で開いた骨盤が閉じ切っていない

出産を経験した方は、この原因も考えられます。
出産時に大きく開き切った骨盤が閉じる過程で、片側だけ完全に閉じられずに固まってしまうことがあり、これが痛みを引き起こしているケースです。

1-2.骨盤近くの部位に異常がある場合

骨盤が痛む場合、骨盤そのものではなく、骨盤近くの部位に異常があってそれが原因となって痛む場合があります。

1-2-1.骨盤に付着している筋肉自体の異常

長時間座っていると、骨盤の前にある「大腰筋(だいようきん)」や、太ももの裏にある「ハムストリングス」という筋肉が酷使され、負荷が多くかかります。すると骨盤の関節にも負担がかかるので、痛みを感じることがあります。

大腰筋(だいようきん)の位置
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出典:フリーメディカルイラスト図鑑

ハムストリングスの位置
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出典:セラピストサークル

1-2-2.慢性前立腺炎(男性)

6ヶ月以上にも渡って痛みが続く場合、男性の場合には、「慢性前立腺炎」が考えられます。
次のような症状がある方は、これが原因かもしれません。

・会陰部やそけい部、下腹部に痛みや違和感がある
・残尿感がある
・頻尿・夜尿が多い
など

1-3.骨盤内にある臓器に疾患がある場合

骨盤内には、生殖器や膀胱、直腸、盲腸などの臓器があります。これらに異常が起きた場合、痛みが起きることがあります。

1-3-1.虫垂炎、尿路感染症(膀胱炎など)、胃腸炎

生殖器に関係しない、虫垂炎(盲腸)、尿路感染症(膀胱炎など)、胃腸炎などに障害がある場合、「骨盤や下腹部に激しい痛み」が出ることがあります。
虫垂炎のように、緊急手術が必要になることもあるので、心当たりがある場合には早急に医師にかかってください。

1-3-2.月経や排卵、婦人科系疾患など

女性の場合、骨盤内にある、子宮や卵管、卵巣、膣に異常が起きた場合も、骨盤が痛むことがあります。例えば、月経痛や排卵痛、子宮外妊娠、子宮内膜症、子宮筋腫、クラミジア感染症などです。
次のような症状があれば、婦人科系疾患が原因の可能性があります。

<子宮内膜症の症状>
・月経痛がひどくて、体をまっすぐにしていられない
・月経以外のときでも下腹部あたりが痛む・違和感がある
・腰痛や股関節痛がある
・排便のときに肛門の奥が痛む
文典:子宮内膜症/持田製薬株式会社

<子宮筋腫の症状>
・月経量が多い、月経期間が長い
・下腹部にしこりがある
・頻尿・排尿異常・便秘
・腎臓の腫れ
文典:All About 子宮筋腫の症状と診断法

<クラミジア感染症の症状(女性)>
・おりものが増えた
・不正出血がある
・下腹部が痛い
・性交時に痛い
文典:STD研究所

1-4.重度の場合や長く続く場合はメディカルチェックを

どのような原因であっても、骨盤の痛みすべてについていえることですが、痛くて起き上がれない、動きだけでズキッと痛む、力が入らないなどの重度の場合や、突然の痛み、6ヶ月以上にも及ぶ長期間に渡る痛みがある場合には、すぐに病院にかかってメディカルチェックを受けましょう。科目は、整形外科や婦人科が適しています。

2.原因別!骨盤の痛みの解消方法

自分の骨盤の痛みの原因は、ある程度特定できたでしょうか?
1章でご紹介してきた原因のうち、対処方法をご紹介していきます。
ただし、重度の痛みの場合には、セルフケアはかえってリスクが高くなることもありますので、無理に動かそうとせず、すぐ医師に診てもらいましょう。

2-1.骨盤そのものに異常がある人向けの対処方法

骨盤に異常がある場合、ゆがみやズレが原因であることをご紹介しました。
この場合、痛みを少しでも軽減するためには次の3つがすぐにできる対処方法です。

(1)凝っている骨盤周りの筋肉を温める⇒入浴やストレッチ
(2)仙腸関節を動かす⇒エクササイズ
(3)緊張しすぎた筋肉を緩めて安定させる⇒矯正ショーツやベルトで固定

2-1-1.凝っている骨盤周りの筋肉を温める

骨盤がゆがんでいる人は、骨盤周りの筋肉がこっている可能性があります。入浴やストレッチを行って、体を温めてコリをほぐしましょう。

≪骨盤の片側が痛む場合のストレッチ≫
(1)腰の骨が高いほうや、いつも痛むほうを上にして寝ころび、両手を頭上に上げて脇腹あたりを伸ばして、腹筋の一つである腰方形筋(ようほうけいきん)を伸ばす。

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文典:日本経済新聞/左右バランスを整えて腰痛解消 ゆがみリセット学(5)

腰方形筋(ようほうけいきん)の位置
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出典:筋肉.guide

(2)脚を片方だけ上げて、中殿筋というお尻の筋肉を伸ばす。
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文典:日本経済新聞/左右バランスを整えて腰痛解消 ゆがみリセット学(5)

中殿筋(ちゅうでんきん)の位置
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出典:セラピストサークル

≪ひねると痛む場合のストレッチ≫
膝を立てて行う腹筋運動を行う。脇腹の辺りにある筋肉、外腹斜筋を鍛えるのがポイント。
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文典:日本経済新聞/左右バランスを整えて腰痛解消 ゆがみリセット学(5)

外腹斜筋(がいふくしゃきん)の位置
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出典:筋肉.guide

2-1-2.仙腸関節を動かす

仙骨関節を動かすためには、ひざを交互に内側に絞る運動がおすすめです。
足を肩幅くらいに開き、膝を少し曲げて、上半身はひねらず、片足ずつ交互に体重を乗せていきます。毎日続けると、仙骨関節の動きがよくなります。

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文典:はつらつライフ

2-1-3.緊張しすぎた筋肉を緩めて安定させる

矯正ショーツやベルトで骨盤部を固定してサポートすると、座り姿勢が長時間続いても楽になり、腰痛も軽減します。
腹筋が弱って内臓を支えられないことで、内臓の重みで骨盤が開くのを防ぐことができます。

2-2.骨盤近くの部位に異常がある人向けの対処方法

筋肉の異常があると思っても、骨盤自体に異常があることもあります。自己判断がむずかしいため、医師にかかるのをおすすめします。

慢性前立腺炎が疑われる場合には、まず病院で検査を受ける必要がありますので、医師にかかってください。

2-3.骨盤内にある臓器に疾患がある人向けの対処方法

骨盤内の臓器に疾患があることが疑われる場合には、早急に医師にかかるのをおすすめします。場合によっては、緊急手術が必要になることもあります。
医師にかかった場合、内診、および検査を行って、原因をつきとめます。

3.骨盤の痛みの予防方法

骨盤そのものに異常がある場合、2章で紹介した対処方法を行っても、骨盤の痛みがその場で軽減されない場合には、早めに医師にかかるのがおすすめです。
また、痛みが軽減して楽になった場合も、日頃から次のような予防策を行っておくのをおすすめします。

3-1.骨盤そのものに異常がある人向けの予防方法

3-1-1.普段からできること(座り方)

骨盤のゆがみを予防するためには、普段から正しい座り方をすることが大事です。
猫背にならず、背筋を伸ばして、腰をそらし過ぎず、骨盤が立った状態が正しい座り方です。コツは、真横から見ると綺麗なS字型になるように座ることと、腰が立つように座ることです。

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文典:はつらつライフ

3-1-2.骨盤をゆるませるストレッチ

骨盤をゆるませることは、ゆがみを直すのに有効です。

1.仰向けになって足を腰の幅に開きます。
2.両足の先を左右に外側に開き、足の甲をすねのほうに向かってそらしていきます。
3.そのまま足を宙に浮かせてそのままキープします。
4.息をゆっくり吸い切ったらゆっくりと足を下します。

文典:ROSA BEAUTY ACADEMY

3-1-3.骨盤を引き締めるエクササイズ

骨盤を締めるためには、しゃがむ動作を繰り返すことがポイントです。
しゃがむエクササイズといえば、スクワット。膝にタオルを挟んで行うと、脚の内側の筋肉を鍛えることもできるので、より骨盤が締まります。
20回を1セット、毎日行うのが目安です。

4.まとめ

骨盤の痛みがあるけれど、毎日我慢しているという方は、すぐに自分の原因を見つけて対策をとりましょう。また、ここ数日で急に痛みが走ったという方は、すぐに医師にかかるようにしてください。

ちょっとした痛みという方は、骨盤のゆがみを直すために毎日エクササイズやストレッチを続けるなどして、骨盤を大事にするように心がけましょう。
整体で骨盤矯正もおすすめです。

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